2013/04/16 | | By: Atsushi Sawa

アダム・スコット選手の勝利がユニクロにもたらしたものとは?

ご存知の通り、プロスポーツのユニフォームへ企業広告を載せる事は多大な宣伝効果があります。また、多くのスポーツチームにとっても、広告費という大きな収入源となっています。その結果、ほとんどのスポーツチームがユニフォームやレーシングカーの至る所を広告の場として企業に販売しています。企業がどれほどの予算を費やしているか興味がございましたら、以前に投稿した記事をご覧下さい。

しかし、ユニフォームへの広告掲載のみが企業の宣伝方法ではありません。ユニフォームそのものをチームに提供する事も、企業にとって大きな宣伝効果となります。

週末に行われたマスターズ決勝では、オーストラリア人のアダム・スコット選手がアンヘル・カブレラ選手とのプレーオフの末、優勝しました。この大会をご覧になられた方も多いと思います。

アダム・スコット選手(Forbes.com
一方で皆さんは、アダム・スコット選手が日本のブランドを着てプレーしていた事に気づいたでしょうか?大会の直前の先週に日本のアパレルメーカー、ユニクロがアダム・スコット選手と複数年のスポンサー契約を結びました。Forbesに書かれているように、この勝利はユニクロに世界の注目を集めた、まさに絶好の機会だったと言えるでしょう。

株式会社ユニクロはファーストフードグループ傘下のアパレルブランドで、ファストファッションとよばれる、H&MやZaraといったブランドと同じ分類に属しています。ユニクロは海外戦略に取り組んでおり、全1,137店舗中、292店舗を海外に展開しています(2012年8月末)。しかし、これらのほとんどはアジアに集中しており、一方の欧米では、ヨーロッパに12店舗、アメリカには3店舗しか進出できていません。2012年度の売上げは9,286億円でした。



一方、ユニクロのライバルとなる巨大アパレルブランド、H&Mは2012年、全世界2,776店舗を通じて、220億ドルを売上げており、ユニクロを店舗数及び売上高で大きく引き離しています。

ノバク・ジャコビッチ選手(Forbes.com
ユニクロはグローバルなブランドに成長する為に、多額の費用をアスリートのスポンサーに投入しています。昨年5月には、テニス界で上位にランクインしている、ノバク・ジョコビッチ選手と5年間のスポンサー契約を結びました。Forbesによるとジョコビッチ選手は年間900万ドルをスポンサーやCM契約で稼いでおり、ユニクロとの契約がいかに高額であったかは容易に想像する事ができます。

さらに、今回、マスターズのチャンピオンもユニクロの選手ラインナップに加わりました。ユニクロがいったいどれだけの金額をスポンサーとして投資しているかはわかりませんが、この両選手は間違いなく、ユニクロの名前やロゴを欧米に広めてくれる事でしょう。また、このように世界ランキング上位の選手複数名とスポンサー契約していることから、ユニクロがH&Mなどの大手ブランドと競合していくほどの底力を持っているという事も言えると思います。

ユニクロが今後、サッカーチームのユニフォームなどを提供する日もくるかもしれませんね。

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